1 地方分改革  2 環境放射能対策  3 認知症高齢者の生活支援
 4 多極分散型の社会づくり  5 学校における生涯学習の推進  6 下野市の発展を支える道路整備

1地方分権改革 

○去る4月28日、地域主権改革に係る3つの法律が成立しました。その一つは、「地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律」、略して「第1次一括法」であり、二つは、「国と地方の協議の場に関する法律」、三つは、「地方自治法の一部改正法」です。

○私は長く地方分権改革を進めることが、地方の自主性や自律度を高めることになると考えてきましたが、地域のことは地域が決める。決めたことは実行する。その結果に対しても地域が責任を負う。こうした新しい自立的な国づくりの第一歩が具体的に始まる。この3つの法律には、こうした意味合いが込められていると思い、評価をするものです。

○第1次一括法には、平成21年12月に閣議決定された地方分権推進計画を踏まえて、関係法律42本が改正されています。その内41本は「義務付け・枠づけの見直しと条例制定権の拡大」です。そこでは、例えばこれまで、保育所や介護施設など福祉施設の設置基準は、国の政令や省令で決めていましたが、これからは県や市町村が条例で決めることになる訳ですし、企業立地の基本計画や県道路線の認定についての大臣協議が廃止・縮小されるなど、国との協議や同意、許可といった国の関与が見直されることになります。

○二つめ、地方の長年の悲願でありました「国と地方の協議の場」は、地方自治に影響を与える国の政策の企画立案や実施について、国と地方が協議して決めていこうとするものですから、地方が自らの判断と責任で、地域の課題に取り組めるようにするための法的根拠を築いたことになります。

○協議の対象は、国と地方の役割分担や地方行財政、地方自治、経済財政政策、社会保障、教育や社会資本整備関連で地方に影響があるものとされています。この協議の場を活かして、今後の地方分権改革を具体的に実効性のあるものにしていくこと、ここに私は大きな期待をかけるものです。

○そこで、この度の幾多の変遷を経て成立した地域主権改革3法をどのように考えるか。そして地方分権改革にかける県民の思いを、どのように実現していこうとするのか、福田知事に伺います。

(再質問)

○国に於いては、到来した高齢社会、少子社会を踏まえ「社会保障と税の一体改革」について議論がされています。しかし、これとても地方は置き去りで論議がなされているようで残念でなりません。去る6月13日には法制化後の初会合が持たれた協議の場ですが、社会保障のあり方についても大震災からの復興についても、この協議の場でしっかりとした協議をするべきですし、これが政府のアリバイづくり、地方のガス抜きに使われてはならないと思います。知事の考えを伺います。

(要望)

○地方分権改革はこの他にも、国から地方への「ひもつき補助金」の廃止と一括交付金の拡充、国の出先機関の原則廃止、基礎自治体への権限移譲、地方財源の充実強化など多くの課題を抱えている訳です。今後とも粘り強い取り組みを要望しておきます。

2 環境放射能対策

(1)学校の校舎・校庭等における土壌の放射線調査

○文部科学省は去る4月19日、「福島県内の学校等の校舎、校庭等の利用判断における暫定的考え方」を示し、年間で1−20ミリシーベルトを校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安としました。

○この目安、文科省は子どもに20ミリシーベルトという高い放射線を浴びさせて良いと判断したものと、私は考えています。わが国が受け入れ、国際放射線防護委員会(ICRP)が示している年間1ミリという制限は、「世界から誰でも安心して旅行にきたり、どこの食材も安心して食べることができる。工業製品も汚染されていない」という意味がある数値です。それを文科省が、一般の大人の平常時の年間被曝限度の20倍の20ミリシーベルトまでなら良いということにしてしまったのです。

○文科省のこの数値は体外だけで、体内被曝は含まれていませんし、体内被曝も考慮すれば、被曝線量の目安を、現在の状況を勘案してもせめて年間1−5ミリ程度に変えるべきだと私は考えています。子どもは成長の途上にあり、細胞の分裂も激しいことから、被曝線量を極力抑えなければならないということです。

○県では、学校等の空間放射線量を調査して公表しました。調査は原発事故から2カ月もたった513日からのことでした。その調査の意味はどこにあったのでしょうか。つまり、文科省の示す数値以内に収まっていることを示すだけの意味しか持たないのではないかと考えてしまうのです。

○また、文科省が5月27日に突如、今までの方針を変え、毎時1マイクロシーベルト(これは年に8.76ミリになります)以上の学校等の表土の入れ替えに、財政支援を行うことを決めたことを受け、県もこれに追随して、大きく方針を転換した訳であります。その間に、本県独自の学校における判断基準や対策を模索することもなく、また、当初の文科省が示した許容値の再考を求めるなど、国に要望することもなく、国の基準値に従ってこられた教育長の、方針転換の激しさに、私は戸惑いを覚えます。

○これでは、あまりにも文科省の言うなりであり、児童生徒の健康は二の次ということになりはしませんか。県教育委員会として、本県の子どもの健康が何よりも大切であって、国の対応等は待ってはいられないという、強い姿勢や主体性が必要であったと思います。

○今、土壌を調べることが待たれます。そこで、場所や地域により放射線の値は異なっていますから、雨どいの下や吹き溜まりとなっている場所、いわゆるホットスポット、ミニホットスポットといわれる場所などの土壌調査をしっかりと実施して、そこに子ども達を近づけないことが大切と考えます。

○教育長に校庭等の土壌調査について、考えを伺います。

(再質問)

○一般に放射性物質についての対応策は国の専権事項とされていて、地方自治体は処理できないことになっています。例えば、廃棄物の処理及び清掃に関する法律では、廃棄物から放射性物質とこれによって汚染された物は除かれています。環境基本法では、放射線物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染の防止措置は、原子力基本法その他の法律によるとされ、大気汚染防止法、水質汚濁防止法、土壌汚染対策法は、放射性物質を適用除外としています。環境影響評価法でも、循環型社会形成推進基本法でも同様です。

○こうして放射性物質に係る対応が、原子力行政と相まって国の専権事項とされ、地方は関与の余地すらない。これが今現実の問題として県民の前に立ちはだかる放射能物質の除去等の対応にも、自治体が手を出せない理由ともなっているのです。

○しかし、住民の健康や生命を守るのに、これは国、これは県でなどと言っていたのでは始まらないので、先ほどの地方分権改革のことも合わせ、本県で先行した対策を講ずる必要があると思います。

○そこで環境森林部長に伺います。環境審議会という審議機関が設置されています。その審議会は水質、大気、土壌の分野で分科会を設置していますが、取り扱う案件には今、問題となっている放射能から県民を守るという視点はありません。県庁広しといえども、専門的にこの分野を扱うのは、この審議会しかないと私は考えていまして、扱う領域を広げ、対応策を検討する場を設けてはどうかと考えます。

2 環境放射能対策

(2)下水道資源化工場での焼却灰および汚泥の処理

○福島県内の下水処理施設における脱水汚泥等とその汚泥を使用したセメント及び溶融スラグから、高濃度の放射性物質が検出されたことを契機として、本県でも県が管理する下水道資源化工場と7カ所の流域下水道浄化センターで、下水汚泥等の放射性物質濃度が測定されています。その結果、宇都宮市茂原の下水道資源化工場において去る5月2日に採取した焼却灰から、1kgあたり3万2千ベクレル、531日採取の溶融スラグから2万8千ベクレルの放射性セシウムが検出されています。

○本県での下水汚泥は、下水道資源化工場で焼却・溶融処理を行い、溶融スラグとして下水工事での再利用や、民間の施設においてセメントの原料にするなど有効利用されています。いわば、汚泥の再利用という循環型社会形成の上での見事なモデルでもあった訳ですが、この度の放射性物質の検出でこの循環システムが休止状態となっています。工場敷地内の空間放射線量率も予断を許さないものになっています。毎日12トンもの放射性物質を含む溶融スラグが工場にストックされ続ける事態に、地域住民は不安を感じています。

○こうした事態を県はどのように把握し、今後どのように対処していくのか、県土整備部長に伺います。

(再質問)

○資源化工場では、下水汚泥を県内各地の公共下水道の終末処理場そして県管理下の流域下水道浄化センターから搬入して、焼却、溶融するという仕組みになっています。それは、ここでの生成物が有効活用されるということが大前提になっているのでありますから、放射性物質の混入で有効活用されない事態になった。とすれば、この搬入、持ち込み自体を停止するべきであると思いますし、生成物は工場へのストックではなく、従来通り、持ち込んだ先に引き取っていただくべきです。県土整備部長に伺います。

(要望)

○資源化工場のストックヤードにとどめ置かれる溶融スラグは、1日12トンになると聞きます。少なくとも現在のストックヤードが満杯になれば、新たなストックヤードなどのとどめ置きスペースはこれ以上造らない。そのことを要望します。

○放射能汚染は県下全域の問題です。赤ちゃんから高齢者まで、そして経済活動にも及ぶ広範多岐、しかも今後長期にわたって対応を余儀なくされる問題です。これを国の仕事、国の専権事項と言っていたのでは、県民の命と健康を守り、経済活動を支えることはできないと私は思います。栃木県として、人的措置も含めて対応する組織の整備が必要と考えます。要望しておきます。

3 認知症高齢者の生活支援

○わが国の高齢者人口は23%を超える、かって経験したことのない超高齢社会に入っています。こうした中、本県では、団塊世代の方々全てが65歳以上となる平成26年度を見据え、平成21年度から23年度までを計画期間とする「はつらつプラン21(四期計画)」を作って、高齢者支援施策を推進してきた訳ですが、いよいよ、本年度は、最終年次である平成26年度での目標達成に向け、第五期計画の策定に本格着手することになります。

○折しも、本年度スタートした栃木県重点戦略「新とちぎ元気プラン」では、重点戦略に「元気で健やかな暮らし実現」を掲げています。高齢社会を迎え、県民が、心身の状況に応じて、生涯にわたって安心と希望の持てる暮らしを目指していくこと。そのためには、しっかりとした高齢者支援計画をつくって、着実にこれを実施に移していく必要があると思います。

○とりわけ高齢化の進展に伴い、認知症高齢者が増える傾向にあります。四期計画にも、平成27年度には県内で39000人が認知症高齢者になるとあります。この認知症にならないために、これまでにも健康づくりや介護予防、生きがいづくりといった方策を講じてきている訳です。しかし、どのような方策をとりましても、一定割合の高齢者は認知症状態になる。そこを支える家族の形も変わり、地域社会も変わった。とすれば、介護サービスについては、施設・居住系のサービスに強い期待がかけられるということになりますし、現になっている訳です。

○そこで、特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームといった施設・居住系サービスの基盤整備について、四期計画においての進捗状況と五期計画への対応方針について、保健福祉部長に伺います。

[再質問]

○任意後見制度という制度があります。認知症などにより、物事を判断する能力が不十分となる場合に備えて、本人に十分な判断能力があるうちに、あらかじめ、本人が選んだ代理人に、自分の療養看護や財産管理といった事柄について代理権を与える契約を結ぶことによって、法律的な支援を行う仕組みです。

○健康づくりや介護の予防といった対策を講じたとしても、介護が必要となり、自分で法律行為を自律的に行うことができないという方を皆無とすることは、残念ながらできません。

○そこで、五期計画では、高齢者の権利保護という観点から、任意後見制度の利用促進に重点をおいた取組を、任意後見人の養成を含め、計画に明確に位置付けることが必要と考えますが、保健福祉部長の考えを伺います。

4 多極分散型の社会づくり

○「新とちぎ元気プラン」が策定され動き出しています。ここでは、高齢化と少子化が進む中で、人口の減少が本格化する。また、経済がグローバル化し、情報化は進む一方、地球環境問題が深刻化するとみて、私たちが経験したことのない時代が到来すると予測しています。成熟社会の渦中にあるわが国においても、今後、社会の構造が大きく変化するとみている訳です。

○その中にあって、私はこれまでの地域づくりのあり様も大きな転換する時期にきている、否、転換しなければならないと考えています。私はこれまでにも、人口200万人の本県が県都や幾つかの都市を中心にして、一極集中型の地域づくりが進められてきたこと、その一方では、人口減に悩み、地域社会の崩壊さへ心配される所も現実のものとして出てきていることをたびたび指摘してきました。今日の定住人口の偏在が、過疎と過密という極端な地域社会を生み出し、それぞれに課題を抱えているのでありまして、地域社会がバランスのとれた発展を図ることが、これからの政策課題となるということです。

○加えて、この度の大震災の下での地域社会の壊滅的打撃を鑑みますと、地域づくりのあり様も検討を余儀なくされると思うのです。即ち、リスクの分散、行政・政治・経済等の面で、例えば、行政機能の地域分散、教育や福祉、経済など諸機能の地域分散などが必要だということです。それぞれの地域がバランスのとれた多極分散型の社会でこそ、元気プランが目指す「健やかで安心」「地域に活力」の社会ができると考えるのです。。

○そこで、多極分散型社会づくりを念頭におき、土地利用政策も含めた本県の地域づくりの考え方について総合政策部長に伺います。

(再質問)

○県土整備部長に伺います。市街化調整区域、市街化区域といった線引き、これはわが国が成長著しい時代、昭和48年の頃にできた開発政策です。今日では時代が変わり、住民の生活意識も変わっています。都市部への居住よりも農山村地域で暮らすことを望む県民もおられると言ったことです。

○市街化調整区域に於いては、過疎化が着実に進んでいます。調整区域における人口減少対策、地域そのものの活性化のためにも、土地利用上の、開発許可制度の一層の規制緩和が必要です。以前にも質問いたしました。再度、検討の状況について伺います。

5 学校における生涯学習の推進

○自ら自発的に学び仲間とつながり、やがては地域に学習の成果を還元する。そして自己実現を図る。行政はその為の環境整備に務める。こうした生涯学習の考え方を基に、県政の大きな柱として生涯学習の推進施策が立てられ、実行に移されて今日に至っています。その歴史20年になりますし、去る3月にはその生涯学習推進計画が4期計画として策定されています。

○4期計画は、「県民が生きがいとうるおいに満ちた人生を送ることができるように、学びの機会を一層充実し、学んだ成果を活かして、県民同士が助け合い、支え合う社会の実現を目指す」としています。そこでは、社会一般、成人のみが学習の主体ではなく、学校教育もまた生涯学習の文脈でとらえられていると思うのです。つまり、「県民全てが」ということです。しかし、ともすれば生涯学習は社会の、成人の教育ととらえられて、学校教育には及ばない実情もあるようです。

○そこで、今次4期計画も含めて、学校における生涯学習はどのように進められているのか、進めようとするのか。教育長に伺います。

(再質問)

○平成20年に学習指導要領が改訂され、去る4月からは小学校で全面実施。来年からは中学校でと、なります。授業時数が小学校では国語、社会、算数、理科、体育で10パーセント程度増加した訳です。それは生涯学習としての「ゆとり教育」が後退したことを意味しています。今後、教科中心の教育がどのように展開されていくのか。行方を注視しています。

○そこで、ゆとり教育の一環として、2002年に完全実施された「学校週5日制」が定着する中で、幾つかの自治体で検討が始まっている「土曜日の授業のあり方」について、教育長の考えを伺います。

6 下野市の発展を支える道路整備

(1) 県道笹原壬生線の整備

○県道笹原壬生線の整備について伺います。この路線は、旧石橋町と旧国分寺町とを結ぶ都市計画道路に位置付けられていまして、下野市の今後の発展には、欠くことのできない重要な路線です。現在、旧石橋町内の工業団地側から県道笹原壬生線までの区間で整備が進められており、早期の整備完了に向けた地元の期待は高いのです。

○また、下野市庁舎の建設計画の案が先頃策定されていますが、旧国分寺町側の県道笹原壬生線から下野市役所に至る都市計画道路の整備については、この計画案に基づく新庁舎建設計画地へのアクセス道路として大変重要な路線でありまして、新庁舎の供用開始の目標年次、平成27年度に合わせた整備が望まれるのです。

○そこで、旧石橋町と旧国分寺町とを結ぶ都市計画道路の整備に向けた、現在の進捗状況と今後の見通しについて、県土整備部長に伺います。

(2) 県道笹原二宮線の整備

○次に、県道笹原二宮線の整備について伺います。この路線は、下野市と真岡市の旧二宮町とを結ぶ地域連絡道路でありまして、下野市内においては、国道4号と新国道4号とを連絡して鬼怒川に至る重要な路線です。沿線には、「道の駅しもつけ」があり、今年3月のオープン以後、利用者数は好調に推移しており、地域の情報交流施設として十分にその機能を果たしていまして、今後のますますの発展が期待されています。

○しかし、国道4号から新国道4号までの区間のうち、自治医科大学の東側については、道路の幅員が十分でないことから、道の駅へのアクセス道路として整備を進める必要があると考えます。また、自治医科大学附属病院は、高度の医療を提供する特定機能病院でもあり、茨城県の西部地域からも増え続ける救急搬送の観点からも、早期の整備が望まれるのです。

○そこで、いまだ整備に着手されていないこの区間の、今後の整備の見通しについて、県土整備部長に伺います。


第307回県議会 県政一般質問(平成23年6月17日 

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