若林ずおの県議会一般質問(第300回 平成21年12月3日)

  1.地方分権改革   .2.とちぎ環境立県戦略   3.(1)県出資法人あり方見直し   3.(2)行政と学校間の相互協力
  4.市街化調整区域の土地利用に関する規制緩和   5.(1)県立図書館の整備   5.(2)栄養教諭の配置と食育   5(3)特別支援学校の運営と整備方針
1 地方分権改革
 最初に、地方分権改革について伺います。
 去る10月7日の第三次勧告に続き、11月9日には第四次勧告が出され、地方分権改革推進委員会によるすべての勧告が出そろいました。
 特に、第三次の勧告は昨年12月の第二次勧告を引き継ぐ形をとった勧告であり、その骨子は地方政府の確立とは自治立法権、自治行政権、自治財政権を有する「完全自治体」を目指す取り組みであると定義して、法律による規制によって地方に求めている義務付けや枠付けの見直しが具体的に示された内容でした。その考え方は3つに整理されまして、1つは完全自治体としての「地方政府」の確立、2つは条例制定権の拡充、3つは自治体の自主性や自由度の拡大、です。
 その上で、第二次勧告で示されていた国の事務事業、10057条項のうち4076条項について、これを(1)廃止、(2)全部の条例委任か条例補正、(3)一部の条例委任か条例補正、の3つに分け、その上で、特に問題ありとする892条項について講ずべき見直し措置が示されています。具体的には、(1)学校や保育所など自治体の施設については国の設置管理基準を廃止又は条例へ委任、(2)自治体事務への国の関与については廃止又はより弱い形での関与、(3)計画策定などについては自治体への義務付けの廃止などという内容になっています。また、地方自治関係法令の見直しにも言及していますが、これは後ほど触れるつもりです。
 私は、勧告でいう義務付け・枠付けの見直しと条例制定権の拡大が進むならば、地方自治体の条例制定権は拡大し、法制的観点から地方自治体の自主性は強化され、自由度が拡大すると考えるものであり、地方分権改革の今後の推進に大いに期待をもつものであります。
 そこで、知事は特にこの第三次勧告をどのように受け止めているか、また県民が望む形での地方分権改革をどのように実現しようとするのか、見解を伺います。
(再質問)第三次勧告では、教員の人事権や給与を県から市町村へ移管するとか、教育委員会制度も存置か長の所管とするかは自治体の判断によって任意に選択することができるとしています。農業委員会も同様ですが、特に教育委員会制度のあり方について、必ず設置するから選択制へという教育委員会制度のあり方自体を問う勧告をどのように受け止めるのか、知事の見解を伺います。

2 とちぎ環境立県戦略
 次にとちぎ環境立県戦略について伺います。
 京都議定書後の地球温暖化対策の枠組みを話し合う国連の気候変動枠組み条約締約国会議が来週の7日からデンマークで開かれます。京都議定書に代わる新議定書の採択動向に注目が集まりますが、温室効果ガスの削減目標や削減行動を盛り込んだ新たな合意を目指した作業が、今も進められています。
 私は、仮に新議定書の採択や新たな合意が実現できなかったとしても、我が国は2020年までに温室効果ガスを25%削減するという目標の達成に向け取り組みを進めていくべきと考えますし、25%削減という高い目標を達成するには、国に任せるばかりでなく地方においても温暖化対策に積極的に取り組んでいく必要があると考えます。
 このような中、知事は先月24日、昨年の知事選においてマニフェストに掲げた「とちぎ環境立県戦略」の策定を、再選後1年というスピードで決定し公表されました。本県も積極的に温暖化対策に取り組み、地球環境の保全に貢献していくという姿勢を県内外に示したことは、誠にタイムリィーな取り組みです。この「とちぎ環境立県戦略」に基づいて自治体や事業者そして県民が一丸となって様々な取り組みを実行していくことは、地球温暖化対策に寄与し、そして本県のイメージアップにもつながるものと考えます。
 そこで、今後県では「とちぎ環境立県戦略」に掲げた理念を踏まえて施策の実現にどのように取り組んでいくのか、知事に伺います。
(再質問@)
 私も「県民との協働」による取り組みが、地球温暖化対策を進める上では重要だと思います。県では、県民が力を合わせて環境保全に取り組む決意として「エコとちぎづくり県民宣言」を策定したとのことですが、この「県民宣言」は12月5日に開催する「とちぎ環境県民大会」で発表するとのお話が今、知事からありました。そこで、この「とちぎ環境県民大会」をどのように開催して、「エコとちぎづくり」に向けた機運を高めていこうとするのか、環境森林部長に伺います。
(再質問A)
 環境森林部長に再質問します。
 この環境立県戦略ではエコとちぎの実現に向けて、県民の力を集める、自然の力を活かす、産業の力を高める、この3つの力が大きな力になるとしています。さらには、環境立県に向けて先導的な役割を果たすとして、県が8つのプロジェクトに取り組むとしています。その意気込みと使命感は十二分と見ますが、一方では基礎自治体、つまり市町村の参画や果たす役割に期待するところも大きいと思います。地方分権の下、対等な関係にある市町村の力について見解を伺います。

3(1)県出資法人あり方見直し
次に県出資法人あり方見直しについて、伺います
 このたび県議会が取りまとめた県出資法人あり方検討会の報告書は、今、県が取り組んでいる見直しの基本方針を踏まえながらも、対象とした32に上る法人それぞれのあり方について一段と踏み込んだ方向性を示したものであります。時代とともに、公益法人についてもその公益性が薄れてきたり、民間の進出で公共が担う必要性もないとか、すでに目的を達成したと見るのが妥当とされる法人があるとか、見方は多様ですし、一方では、今日の財政環境からはもはや従来通りの財政支援や人的支援は困難な情勢になったというのがこのたびの出資法人のあり方を見直す背景にあると考えています。
 見直しの結果は大きく分ければ、それぞれの法人について、統合、存続、自立、廃止の4つに整理した訳ですが、必要性が高いと判断する法人はむしろ増強していくなどメリハリの効いた見直しになっていると思います。ついては、この議会の報告書・県出資法人の改革提言、改革のポイントは、想定される幾つかの課題にいかに対処するかにかかっていると思うのであります。
 そこで、特に改革にあたって避けることのできない債務の処理や法人職員の処遇についてどのように対処されるのか、所管する須藤副知事に総括的な観点で考えを伺います。
(再質問)
 県では平成20年3月に策定した特定指導法人の見直し基本方針によって見直しを実行中ですが、このたびの議会提言を踏まえれば、もう一段の踏み込んだ見直しの方向性を示す必要が出てきたと考えます。そのための策定作業をまた一からやり直し、長期間を要してということではなく、少なくとも本年度中には見直しの方向を確立する意気込みで、行政改革大綱に位置付け直すなどして改革の工程・プロセスを明確にすべきではないかと考えます。須藤副知事に見解を伺います。
(要望)
 見直しの具体的な進捗については県民・県議会に何らかの形で示されるよう要望しておきます。

3(2)行政と学校間の相互協力
 次に行政と学校間の相互協力について、伺います。
 今では、539人ほどの教員が県や市町村教育委員会の事務局をはじめとして、知事部局や公益法人などに出向いています。これらの教員は、現在の学校職員の定数、1万6948人の枠に入らない方々が数多く、しかも市町村においては年々増加してきています。
 行先は県や市町村の教育委員会事務局や教育事務所・教育センターや自然の家など教育機関をはじめ、公益法人などの外郭団体、知事部局の本庁から出先機関まで広い範囲にわたっていまして、部署によっては正に教員依存の運営体質が出来上がっているのであります。教員に頼る、先生の存在を前提にして組織を運営するという形は、社会教育や社会体育、文化関連の取り組みが絶対的な人材不足という環境の下にあった時代には大きな意味を持ちましたが、それが肥大化を重ねて今日に至っていると私はみています。
 しかし、考えてみますと、今の時代は社会の各般において人材は豊かに育っています。どの分野においてもその道の専門家を確保することが可能な時代になっています。一方で、教員もまた教壇に立ちたくて教員になったのでありまして、決して望んで今のセクションにいるのではないと思うのです。こうした事態をふまえ、私は、行政各部署に配属の学校教員を学校教育の現場に戻し、行政運営にかかる従事者は人材を広く県民に求める。その上で行政と学校の間で新たな協力関係を築いていくことが必要であって、それは今日的な行財政改革に大きく寄与すると考えます。教育長の見解を伺います。
(再質問@)
 教育委員会には「指導主事」という職種がありまして、いわば先生の先生のような役割を果たしている教員がおられる。そこにまた学校に籍を置いて事務局に配置される「充て指導主事」があり、この方は学校職員定数にカウントされながらも学校の教壇には立たないで県の教育委員会などに務めている方々で、都合本県には59人おられる。その中には市町村に配置する充て指導主事も8人含まれています。今日の地方分権下の行政において、県教育委員会管轄の下で設置するこうしたあいまいで、定数管理上も不透明であって、しかも教育の指導上重い役割を担うというような職種は縮小し、廃止するべきであると私は考えます。教育長に伺います。
(再質問A)
 県出資法人の見直しに関係しますが、県の体育協会や青少年こども財団にも多くの学校職員が派遣されています。それぞれの法人においては必要な人材ということですが、数年勤務の後はまた入れ替わるということの繰り返しで方向は定まりませんし、何よりも法人においていつまでたっても専門家が育たないのです。それら公益法人サイドでの教員受け入れについても見直しが必要と考えます。経営管理部長に伺います。

4 市街化調整区域の土地利用に関する規制緩和
 次に、市街化調整区域における土地利用に関する規制緩和の必要性について、伺います。
我が国の農地は、昭和36年の609万をピークに減少を続け、平成20年には463万haにまで減少しています。こうした事態を踏まえて、今年6月の改正農地法では農地面積の減少を抑制し、農地の確保を優先する方向が打ち出されました。学校や病院などの公共施設も含め、今後、農地転用は抑制されるということであります。
 その一方で、土地利用については、数度の都市計画法の改正をうけて市街化調整区域における開発許可基準の見直しが実施され、今にいたっています。しかし、今日の市街化調整区域においては過疎化が着実に進行していまして、調整区域においての人口減少対策そして地域そのものの活性化を図るためには、土地利用上、一層の規制緩和策が必要になっていると考えるものです。
 たとえば、新たに農業を営む希望者への定住支援策として農村に住宅を用意するといった住環境の整備は必要ですし、高齢世帯や高齢単身者が利便性を求めて都市部に移動し、空き家となった分家住宅などには希望者が誰でも住めるようにするというような、市街化調整区域における土地や住居をめぐる政策の転換がぜひとも必要であると考えます。
そこで、このような時代的社会的な環境の変化を踏まえて、市街化調整区域における開発許可制度の更なる規制緩和策を展開すべきと考えます。県土整備部長の考えを伺います。

5(1)県立図書館の整備
 次に県立図書館の整備について、伺います。
 今日の発達した情報化社会においては、特にインターネットの普及によって、情報の扱いが大きく変わってきています。その中で、知の集積場所としての役割を果たす図書館も、時代の波にもまれていると思います。しかし、いかなる環境の変化の中にあっても、県民の生涯学習を支える図書館の存在意義は大きいと考えています。明治43年の二宮文庫に始まる長い歴史をもつ県立図書館は、昭和46年に現在の建物が竣工してから40年の歴史を刻んできましたが、今では時代の要請にも中々応え難い施設となっていることも認めておくべきです。
 市町村における図書館の整備が随分と進んだことに加え、情報をめぐる環境も大きく変わった今日において、生涯学習社会における県立図書館の役割を再検証して、その位置づけを明確にしていく必要があると思いまして、その作業の過程において県立図書館の整備に向けた検討を進めるべきと考えます。そこで、教育長に県立図書館の整備について考えを伺います。
(要望)
 県立図書館の図書資料費を県民一人当たりで見ますと、平成19年度のデータでは本県は全国第40位と低水準にあります。また、資料費の金額も平成16年度の3100万円から平成21年度2275万円と大きく減少しています。この数字は県内中央の、ある自治体の購入費用にも満たないものになっていますが、資料収集は稀少本の収集などに特色を出そうとしており、その意味でも今日的意義は大きいのですから、資料収集における一定の事業費確保は欠かせないということを申し上げておきます。

5(2)栄養教諭の配置と食育
 次に、栄養教諭の配置と食育について伺います。
 児童生徒の健康をめぐる問題が深刻の度を増していまして、特に食については偏った栄養摂取による生活習慣病の若年化や孤食(子どもが一人で食事する)が増加するなど問題が複雑、多様なものになっています。文部科学省の調査によれば、肥満傾向児の割合は年々増加していますし、普段、家族と一緒に朝食を食べている子どもは中学生では4人に1人という結果も出ています。
 このため、栄養や食事の取り方などについての「自己管理能力」や「望ましい食の習慣」を身につけることが必要になってきていまして、こうした状況を背景に栄養教諭が学校での「食の指導」の中心的な役割を担い、子どもたちの健康を守り育てていく能力の育成に期待がかけられることになったと聞いています。
 そこで、食育基本法の制定や学校教育法の改正などを踏まえて、本県では平成19年度から計画的に栄養教諭を配置することにしたのですが、本年度で県内30自治体と県立学校3校に配置が済んだようです。今日では、学校給食においても地産地消の必要性が指摘されていまして、栄養教諭の役割は一層大きくなると考えています。
 そこで、この3年間における本県の取り組みから、教育長は栄養教諭についてどのように評価しているのか、お伺いします。
(再質問)
 栄養教諭は県内30の市や町に30人、特別支援学校3校と県教育委員会に1人の34人が配置されています。これは小さな自治体にも1人、大規模自治体にも1人でして、特別支援学校も含めれば栄養教諭の一層の配置に向けた努力が必要であると思います。この栄養教諭は学校栄養職員が一定の講習を受けて資格を取るなどの措置をとって設置するものですから、新たに人員増を伴うものではありません。大きく人件費の膨らみをもたらすものでもない。そこを踏まえまして、栄養教諭の今後の配置方針について、教育長に伺います。

5(3)特別支援学校の運営と整備方針
 次に、特別支援学校の運営と整備方針について伺います。
 特別支援学校の在籍者が増加の一途をたどっています。平成21年度の学校基本調査によれば、在籍者は2269人、小・中学校の特別支援学級では2558人となっていまして、いずれも前年に比べて増加、この傾向は今後も当分の間続くと見込まれています。
 国分寺特別支援学校でもこの傾向は著しく、平成16年度に220人であった在籍者が平成21年度には304人と、この5年間で84人、38%も増加しています。いきおい、教室不足は深刻で、特別教室なども使って指導が行われています。来年4月には栃木特別支援学校に重複障害児にも対応した環境整備が実現しますが、国分寺特別支援学校から転校する児童生徒は18人前後とみられ、この過密状態を解消するにはいたらないと思います。
 また、重複障害児に対する教育環境の整備も大きな課題です。国分寺特別支援学校は栃木県の南部地域、下野市や小山市・上三川町・野木町を主な通学圏とする学校ですが、人口で28万人を擁するこの地域からの重複障害児の通学先が栃木市の北部までというのはいかがなものかと思います。
 この重複障害児への対応も含め、今後の当地域への特別支援学校の整備の必要性について、教育長に考えを伺います。
(再質問)@ 
 国分寺特別支援学校に入学を予定し、また在籍する重複障害児が来年度から栃木特別支援学校へ通学するようになるという方針についてです。
 保護者には、この12月中の半ばまでには通学先を決めるように求める旨の方針が示されているようですが、保護者は肝心の通学用のバスが用意されないのではないかという不安を抱いています。バス通学という環境が整った上での話ではないようでして、バス確保の方針を明確にして学校選択に臨めるようにするよう、教育長に伺います。
(再質問)A 
 国分寺特別支援学校への通学に、JR小金井駅東口から歩いて通学する子ども達がいます。その数25人。子ども達は雨の日も風の日も元気に歩いて学校を目指していますし、地域住民も安全確保に温かい配慮をくださっています。しかし、その歩く理由は他でもなく、バスが足りない。バスの手配がされないからということであります。通学の距離は3.5kmです。国分寺特別支援学校へのバスを増配するべきであります。教育長に見解を伺います。